156: 1/3 21/06/04(金)21:37:31 ID:JZ.03.L1
親戚Aの家は、よくある男児優遇女児冷遇の家だった。

A夫婦の長男(第一子)は、一歳になる前に死んでいる。
乳幼児突然死症候群らしい。
だから5年後に次男が生まれた時、A夫婦は
「この子は(長男)くんの生まれ変わり!
(長男)くんの分も大事にして愛情を注ごう!」

と決意した。
次男は幼児期に病気で何度か入院したことがあるので、その思いに拍車がかかったらしい。

次男の三歳下の娘(長女)は、常に二の次三の次だった。
長女は、小さい頃は『パパ、ママ、あれやってこれして』と両親にべったりの子だったけれど、中学生になるころには、親に頼らず何でも自分で決めて自分で行動する子になっていた。

と言っても、A夫婦は長女にネグレクトしていたわけではない。
きちんと長女の面倒を見ていたし、いわゆるモラハラな行為もなかったと思う。
でも、明らかに、次男と長女への対応に温度差があった。




例えば、次男が中学生の時、ジュースを飲んだ後コップを流しに持って行ったことがあった。
その時、次男は
「ちゃんと後片付けできて偉い!親孝行!なんていい子なの!」
と絶賛された。
が、小学校高学年の長女が同じことをすると
「コップは軽く水でゆすいでから、水につけておいて」
と注意される。
長女への対応は、単独で見ればおかしくないが、次男への対応と差がありすぎた。

157: 2/3 21/06/04(金)21:37:47 ID:JZ.03.L1
次男は名前さえ書けば誰でも入れるようなFラン大に進学し、
「思ったのと違う」
と、一年とたたずに退学した。
その後、調理師の専門学校に行った。
が、やはり
「思ったのと違う」
と、一年たたずに退学。
その後は、気が向いたらバイトする半ニートになった。
A夫婦は
「生きてるだけで親孝行だよ☆」
と次男を甘やかしまくった。

一方で長女は家から通える国立大に進学した。
おそらく、学費のことで国立大を選んだんだろうが、A夫婦は
「あの子ならもっと上を狙えたのに、あんな二流大に進むなんて…」
と、こぼしていた。

長女は在学中にいくつか資格を取り、希望の分野の会社に就職した。

次男は相変わらず半ニートで、幼児のように甘やかされていた。

158: 3/3 21/06/04(金)21:38:02 ID:JZ.03.L1
現在、次男は35歳で、長女は32歳。

先月、用事があってA夫に電話したところ、
「(長女)は付き合いの長い恋人がいるのに、一向に結婚しようとしない。
早く孫の顔が見たいのに」

と愚痴っていた。
私は、内心で
(長女が結婚したがらない原因って、あんたら夫婦じゃね?)
と思ったけど、口に出したら面倒なことになりそうなので
「大丈夫、人生まだまだこれからだよ!」
とか、適当なことを言っておいた。

そしてA夫は長女のことはいろいろ話したけれど、あれほど溺愛していた次男のことは全く話そうとしなかった。
他の親戚からの情報によると、次男は何年も前に半ニートからニートに進化したらしい。

A夫婦には、この言葉を贈りたい。
「子供たちは、あなたたちが育てたように育ったんだよ」



Living with the Dead
Living with the Dead