470: 名無しさん@おーぷん 21/02/24(水)11:41:46 ID:jf.mo.L1
わたしの会社の先輩が、詐欺まがいの事件とまでは行かないにしても会社を巻き込んだトラブルを起こしたこと。

先輩は元々面倒見のいい優しい男性で、みんなからもとても好かれていた。
みんながなかなか手が空いてなかったり、担当者が具合悪そうにしてるときには、
「○さん、何時からこういう仕事ありますよね?
僕やっておくね!」

と率先して買って出てくれるような人だった。

その先輩とお昼を食べた時、
「私、積立 NISA とかやってみよっかなー」
と話に出したら
「実は僕、NISA ではないけど投資で大成功したんだよ」
と言われた。
「すご!株ですか?FX?」
と聞くと、バイナリーオプションというもので、
「すぐ利確できるからいいよ、ちゃんとロジックさえあればできるよ!」
と言われた。

すぐに調べたんだけど、かなり運要素の強いもの。
一分とか五分後、値段はあがる?さがる?というものを当てる。
投資というよりマルバツゲームみたい。
(ハマるとパチンコとかより厄介そうだな)
と思った。

先輩から
「普通は教えるのに30万払ってもらうんだけど、私子さんはタダでいいよ」
と言われ、この時点でかなり怪しいと思ってモヤモヤして断ろうとしたけど、
「見てるだけでも勉強になる」
と言われ、付き合いもあるので仕方なく先輩が教えているライングループに入った。
グループは3つに別れていて、私はCグループへ。
そこには30人くらいの人がいた。
(これ、投資じゃなくてレクチャー料金だけでいくら稼いでんだ?)
とそっちに目が行った。

で、手法の方も先輩オリジナルということだったのだが、そこにいる人たちを見ているとかなり勝率が低い。
30%くらいだった。
FX・株などやったことない私ですら
(これだめでしょ)
と思った。
しかし先輩は自信満々に、
「みんなが間違ってるんです」
と注意し、『それ違うんじゃない?』といった人をグループ退会させ、その人の悪口を言っていたりした。




その後、先輩がグループに儲け話を持ってきた。
それは、
「毎日AIが判断してくれて、勝率99%。
必ず勝てる。
本当はレベルの高い投資家しか入れないもので、口座開設に120万かかる。
自分の稼ぎはこちらの方が大きい。
相手の会社に内緒で、みんなのお金を集めて運用しよう。
会社の名前は教えられない。
表には出てないし、『絶対言うな』と言われた」

というもの。
明らかにおかしかったが、みんな大盛りあがりで投資した。

そしてしばらく利益確定の画像が投稿され続けたが、一週間して
「実は相手方に、皆さんのお金を集めたことがバレてしまった。
自分は取引できなくなった。
だが、なんとか私からお願いして皆さんだけでも口座開設したら取引できるようにしてもらった」

と。
(これもう絶対詐欺だろ!?)
と思った。
流石に120万出せる人がいなかったようで、誰も口座開設はしなかったようだった。

471: 名無しさん@おーぷん 21/02/24(水)12:47:10 ID:jf.mo.L1
その後も、先輩はいろんなツールを紹介していった。
「知り合いのエンジニアに頼んで作らせた」
というツールだったが、ある日、私のグループで揉め事があった。
「(先輩)を訴えたい」
というもの。
先輩が『自作した』というツールは、実は他で商材として1万で売られてたものと全く同じだったらしい。
先輩は
「たまたま同じものができただけ」
と言い訳していた。
先輩は私に
「頼むから黙っててね。
いいね、僕のほうが私子さんより会社から信頼されてる。
忘れないで」

と脅すようになった。

更に、同じグループメンバーから、私が所属していないグループのメンバーたち(私のグループの人とリアルで仲良しらしく繋がってた)も紹介されたんだけど、
その人たちは先輩の勤め先・所属部署・そこの営業の営業成績・顧客へどんなサービスをしたか…など、明らかに先輩経由でないと知りえないレベルの情報を知っていた。
「どうやって知ったんですか?」
と聞くと、
なんと先輩、自分が正社員務めなのを “信用に足る証拠” だとして、グループ内で社内画像などを出しまくっていたらしい。
更に営業成績なども社内画像に映っていたため、わかったらしかった。

さーっと血の気が引いていくのを感じた。
『企業の情報を漏洩してる』と知ってしまった以上、放っておくわけにいかなくなった。
私はその人たちに、グループのリーダー(先輩)の後輩だとは知られていない。
そのため、話を合わせつつ
「どうするつもりか」
と聞くと、
「(先輩の勤め先)の人事部に相談する」
という。
そして
「そこですべてを話すつもりだ」
と。
で、実際複数のメンバーが電話をかけたらしい。

先輩は他のグループに対しては
「誰かが僕のことを密告したようです。
会社をクビになるかも」
「今現在、半年の停職です。
更にそこから半年、『給料ナシで働かなければ会社として訴える』と言われた。
鬼だ。
会社が僕を殺す」
「車で追突事故を起こしてしまった。
相手から数千マンの金を要求されている。
怪我をして動けない」

と、嘘をついていたらしいことがスクショとともに報告されてきた。
『密告された』以外全部ウソ。
めっちゃ元気に仕事してる。
普通の務め人なら『嘘だ』とわかるレベルだが、自営業や主婦・学生ばかりで、みんなそれを信じて訴訟の準備をやめようとしていた。

あまりのアホさ加減に我慢できなくなり、当時新卒だった私は先輩不在の時に上司に全て話した。

「明らかにやばい詐欺だとわかってたが怖くて言えなかった。
グループが違ったがそこに会社の情報まで漏れてることに途中で気づき、黙っていられなかった」

と謝罪した。
上司は『信じられない』という顔をして人事に報告していた。

その翌週、先輩は
「今日いきなり本社に呼び出されました」
「上司に酷く電話で怒鳴られました。
『自殺するなよ、そして死ぬまで償えよ』って脅されました。
人生めちゃくちゃにしないで欲しいんです。
僕なにかしましたか」

と私が所属していないグループには投稿し続けていた。
それを都度都度メンバーからスクショにして送ってもらっては、上司にポチポチ転送して証拠集めをしてもらっていた。
そのたびにブチ切れていた。

で、その上司が特定されてしまった。
グループの初期の頃、社内の飲み会写真を投稿した際、
「右端が僕の上司です」
と紹介していたらしい。
その時、上司はデカデカと名札をつけていた。
グループのメンバーに
「先輩さんを脅してるのってこの人?」
と聞かれ、
「そうです。
悪魔です。
僕が憎いみたい」

と返していたそうだ。
そこからSNSを通して、先輩を信じた何人かのアホどもが
「あなたが部下にしていることは酷すぎる」「人殺し」
と突撃かましたことで発覚。

そこで会社もようやく動き、先輩の言った嘘が次々本当になっていった。

まず先輩は会社の名誉を毀損したとして、始末書を書かされた。
そして役職の剥奪。
上司は名誉毀損で容赦なく社員の前で証拠を突きつけ、
「お前のしたことは絶対許せない」
と訴えた。
実際、上司は周りの友達から『お前パワハラしてるのか!?』と言われたらしいし、仕方ない。

グループメンバーからも訴えられていて、その後、先輩は退職。
退職の際は盛大に見送る社風だが、事情を知ってからというもの誰一人『お疲れさまでした』とも言わず、飲み会の提案もしなかった。

そして数カ月後、グループに通知が入った。
自己破産の手続きに入った旨と弁護士名が記されていた。
上司は
「本当に今まで見たことのない馬鹿野郎だ」
と呆れていた。

こんな詐欺を身近でやる人がいたのが衝撃だった。




ニンゲン御破産
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