242: 名無しさん@おーぷん 21/01/23(土)18:13:52 ID:N0.pr.L1
10年ほど前、勤めていた会社の業績が下がって、人員整理の噂も聞くようになった。
なので同僚のA・B・俺の3人で『いっそ辞めて退職金で起業するか』となった。
3人とも技能持ちだったので、それを生かせば小さい仕事が拾えるんじゃないかと思った。
Aは嫁さんがいたが子供はおらず、Bと俺は独身だったので身軽だった。

3人で小さい事務所を借りた。
誰が社長とかではなく、3人とも個人事業主で、共同で事務所を借りているという形。
まずは仕事を取らねばと外回りを始めた。

「その間、留守になる事務所の留守番に」
と、Aが
「失業中らしいんで、バイトとして雇おう」
と “知り合い” だという女Cを連れてきた。




Cは俺らより10歳以上も年上、当時四十代半ば(AとA嫁・B・俺、共に三十代前半だった)で、真っ赤でちりちりパーマの髪・生白くてガサガサした肌・糸より細い眉毛の、“水商売の女性の化粧を落とした顔” にしか見えないオバチャンだった。
Bと俺は
(Aの愛人?だとしたら趣味悪いな)
と思ったが、でも
(普通に求職中の人だったら邪推しちゃ悪いし)
とモヤモヤしていた。

1カ月もしないうちに、邪推の方が正解とわかった。
Aはあまり外回りに出なくなって、俺が外回りから帰ってきて事務所のドアを開けたら室内に妙な熱気がこもっていて、AとCが妙に赤い顔して自席でもそもそ髪を撫でつけている、なんてことが何度もあった。
Bに言ったら
「俺もそれ、しょっちゅうある」
ということで、
『AはCとのオフィス不倫のためにわざわざBと俺に起業を持ちかけて事務所借りて、Bと俺が仕事もらうためにペコペコあちこちに頭下げてる間、事務所で楽しく仕事以外のことに励んでいる』
と確信した。

腹も立ったし、Aの嫁さんにばれた時にBと俺が共犯に思われたら困るから、Aに

と告げた。

そしたらAが
「いや俺1人じゃここ維持できないし!
第一、前の会社辞めてすぐまた次の事務所をつぶすなんて恥ずかしい真似できるか!
世間になんて言われるかわかってんのか!」

と怒り出したので、
「共同事務所なんて、それぞれの都合が合わなくなったら解散で当たり前じゃねえか」
とBと2人でさっさと自分らの荷物を運び出した。
事務所はAの名前で借りていて、Bと俺はそれぞれ家賃(維持費込み)の1/3をAに払っている形だった。
ろくに仕事しないCのバイト代だって1/3払わされてたんだよな、バカバカしい。
それが破綻した時はどうするかというのは、契約書を作っていたわけではなかったから
「じゃーねー」
とすぐ逃げられてよかった。
その後、Bも俺も自分で事務所作って、何かと協力し合ってやっている。

Aも仕事はできるんでうまくやってるようだが、Aの事務所に出入りしている業者によると
「Cらしい女が “奥さん” として事務所にいつもいて、仕事もしないでただ『いる』だけなのでうっとおしい」
らしい。

Aの元嫁さんはどうしているか知らないが、
(Aといるよりは幸せだろう)
と思う。



末永く
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