1413. 名無しさん 2021年01月23日 04:41 ID:uiD5h1c20
昔、地元が急速に開発されて田畑と住宅地が入り交じるようになってた頃の話。

お隣に住んでたお爺ちゃんが、時々
「野生動物に農作物を荒されてしまう」
と困ってた。
ある時、そのお爺ちゃんが
「そろそろ来そうだから罠を仕掛けた」
とニコニコしてた。




数日後の朝、
救急車がやってきて評判の悪かった近所の三十代くらいの夫婦が搬送されていった。
お爺ちゃん、荒らされたという畑を見ながら
「 “くすり” の加減間違えたかのー」
って首ひねってた。
畑は端っこの方の野菜が引っこ抜かれてたみたいで、特に荒れてはなかった。
「やせいどうぶつ…?」
って慄いてたらお爺ちゃん、
「逃げられてしもうたわ」
って悔しそうにしてた。

親に話したけど、困ったような顔されて
「誰彼構わず話しちゃダメよ」
とだけ言われたから、知ってたのは自分だけじゃなかったと思う。

近所の夫婦は数日で退院したが、すぐに引っ越していった。
特に事件にはならなかった、と思う。
その後、しばらくして息子さんがお爺ちゃんを引き取って行った。
親や近所の人たちが息子さんに連絡したのかもしれない。

お爺ちゃんの家土地畑は売られて、今は全部宅地になってる。
親に何か聞くのも憚られて、以降話題にはのぼらなかった。
結局 “くすり” が何だったのかも分からない。
あれがボケだったのかトボケだったのかも未だ分からないでいるけど、怖いからボケてたんだと思いたい…。



獣道