585: 名無しさん@おーぷん 20/06/30(火)09:01:55 ID:hyk
私の実家は貧乏だった。
母一人子一人、薄暗い2Kの市営住宅で暮らした。
父も母も天涯孤独で、その父も私が母のお腹にいた時に事故で亡くなった。
小さい子を抱えて、それでも母はどんなに誘われても夜の世界の仕事だけはしなかった。
母なりに、女の子である娘への影響を考えたんだろうと思う。

母は私が寝ているうちに新聞配達をして、私を学校に送ってから仕事に行って、必死にお金を貯めて、私に
「大学に行け」
と言った。
「とにかく手に職をつけろ」
と言った。
私もできるだけ母に負担を掛けさせたくなかったので、高校生になってからはバイトをした。
稼いだお金は進学の為に全て貯金していた。
母は
「学費なら心配するな」
って言ってくれたけど、できるだけ負担を掛けたくなかったから。
運良く学費免除の推薦枠で進学することができた時には、母と共に初めてホールケーキを買ってお祝いした。
大学では寮に入った。
同時に母は、ある会社の独身寮の住み込みの寮母さんに転職した。




そして私は卒業後ある会社に就職し、そこで先輩同僚の男性と付き合うようになった。
彼自身は普通のサラリーマン家庭の一人っ子。
交際は順調だった。
彼は私の実家の貧乏っぷりももちろん知ってる。
父のことも母のことも、なんの隠し事もない。

結婚話が出始めた頃、取引先の女性Aが業界のイベントで知り合った彼を気に入った。
その女性Aは、私の中学時代の同級生だった。
Aは私の実家の貧乏ぶりを尾鰭をつけまくって彼に話した。
「あんな家の子を嫁にしたら苦労するから止めた方がいい」
と。
「私(A)の父は会社経営やってるし、地元ではそこそこの力のある家。
私と付き合った方がいいよ!」

と。

彼は歯牙にもかけなかった。
彼が言うには、
「あまりにも馬鹿馬鹿しい尾鰭で聞いてるだけで気分が悪くなった」
んだそうだ。
だから全く問題なかったんだけど、
でも私の中にはモヤモヤが残った。
貧乏だったけど必死に生きてきた。
母も真面目に娘の為に頑張ってくれた。
誰に後ろ指刺されることもない。
(なのに何故あんな言い方されなきゃいけないんだろう)

そう思っていたら、Aが仕事帰りに私を待ち伏せていて
「あんたみたいな貧乏出の女には勿体ない。
身を引いた方が彼のためだよ?」

と言った。
それまで生きてきて、あんなに人を呪ったことはなかった。
ハッキリと
(死ねばいいのに)
と思ったその翌日、
Aが車に撥ねられた。
が、一命はとりとめたらしい。
(死ねば良かったのに)
と思った。
数日後、急変して亡くなった。
これも言霊の力なんだろうか。



ひいてるぜ