876: 名無しさん@おーぷん 20/06/29(月)14:20:00 ID:Iy.jh.L5
姉が五十代目前にしてようやく婚約にこぎつけた。

姉はそこそこ美人なものだから理想ばかり高くなって、二十代に選り好みしまくった挙句、高スペックの男友達はみんなどんどん結婚してしまい。
三十代になると、親が高齢になって生まれた一人っ子とかバツイチで養育費と共にとか奥さんに先立たれて子供の世話をお願いしたいとか、そんな話ばかりになってきて不貞腐れて婚活をやめた。
「私が探すんじゃなくて、見つけてもらうのよ!」
とか言って、色々こじらせていた。

が、40も過ぎると容姿は年々衰えるし、仕事に生きるほど仕事も出来ないし年収も高くないし、実家暮らしじゃないと生活できないけど親にはあーだこーだ干渉されるし…ってことで
「やっぱり結婚する!」
って婚活を再開して、50手前でやっと婚約にこぎつけたわけ。

お相手は初婚の公務員で大人しい人。
そして一人っ子で両親他界。
「たぶんこれよりいい人は出てこないだろう」
って決めたそうだ。




姉が婚約してしばらく経った頃、私は夫や子供たちと北海道旅行をした。
『小樽に行く』
って言ったら、姉が
「北一硝子で食器を買ってきて欲しい」
と言ってきた。
でも私は
「食器は好みが分かれるから」
と言って断った。
「お土産として私が自分のセンスで買ってくるってことならいいけど」
と。
「それでいい」
と言うから、一応『19cmぐらいの平皿を』ってリクエストだけ聞いておいた。
で、現地で5枚セットにして買って、他にもあれこれ買って実家に配送手配してきた。

届くころに実家に遊びにいったんだが、ちょうど婚約者も来てた。
そこに荷物が届いた。
姉、最初は
「うわー素敵ぃ~」
とか言ってたのに、途中から
「なにこれ!」
って言いだした。
「5枚重ねたらデコボコしてピッタリ揃わないじゃない!
これセットで買ってくれたんじゃないの!?」

だって。
確かにセット物で買ったわけじゃなく、同じ品を5枚買ってきたわけだけど、そもそも北一硝子の売りは1枚1枚手作りって事なんだから、全く同じ形全く同じ色のものはないわけ。
「そういうの知っててリクエストしたんじゃなかったの?」
って言ってる横で母も
「そうそう」
って。
そしたら姉、不貞腐れて
「いらない!」
って言うんだよね。
面倒臭い姉のことだからこういう事も想定して、姉が要らなかったら私が使うつもりで、ほぼ私好みのを選んだんだけどw

で、その数日後、姉の婚約が白紙になった。
婚約者から、この日の一連の姉の言動を見て
「この気の強さと一生付き合っていくのはしんどいと考え直した」
と言われたそうだ。

姉、強がって
「たかが姉妹喧嘩に引くような男、こっちから願い下げだわ!」
って言ってるけど、実は相当ショックなようで
「もう結婚はしない」
と言っている。
両親もついに覚悟を決めたようで、
『家も財産も全部(姉)に遺す代わりに老後の面倒見てもらう』ってことで話がついたから、あんたは放棄してください」
と言ってきた。
敬語でw



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