427: 名無しさん@おーぷん 19/09/12(木)18:32:47 ID:Cz.eo.L1
私の職場には、社内婚をしたA先輩とBさん(私達の同僚)がいる。
そのBさんが妊娠したことで、体調が安定するまでの間、なるべく体に負担をかけないように実家から通勤することになった。

妊娠して3ヶ月か4ヶ月頃、Bさんが
「体がだんだん慣れてきたしそろそろ家に戻ろうかな」
と話してた矢先、通り魔的な痴漢に襲われた。
Bさんの家は駅から徒歩五分の位置にあるんだけど、駅は無人駅で利用客も街灯も少なく、そこを狙われたそうだ。
A先輩は憤慨してて、私達にも
「心身傷ついたBさんのサポートをお願いします」
と頭を下げにきた。

そのときにうちの部署のCが
「お腹に命抱えてるのに自衛しないなんて無責任だな」
と笑いながら言った。
本人は冗談めかして言ったつもりなんだろうけど、A先輩の顔が一瞬で変わったのを見ても謝らなかった。
周りが
「自衛していても襲われるときは襲われる」「自衛にも限界があるんだよ、ましてや妊婦だよ」
と注意したが、Cはつむじを曲げて
「襲われた時点でその自衛は自衛としての意味をなしてないんだ」
と反論した。

さらに後日、Bさんが病院から問題なしとの診断を受けて出社してきたとき、Cが
「お腹の命を守れるのは母親だけ」「母親の自覚がない」「自衛が足りないなんて母親失格だな」
とネチネチ言い始めた。
更にCと仲良くしてるDも、Cに
「俺間違ったこと言ってる?」
と話を振られて
「自衛しなきゃ赤子を守れないのは事実だ」
と、二人して正論っぽいことを振りかざしていた。




Bさんが育休に入った頃、
Cが電車で痴漢容疑をかけられるといったことがあった。
会社の最寄り駅の一個手前の駅で、女性がCの手を掴んで
「痴漢です!」
と叫んだため、Cの痴漢容疑は複数の会社の人に目撃されて、瞬く間に噂が広まった。
後に出社してきたCは、
「冤罪だ!」
と訴えて、その日、被害にあったという女子学生のことをずっとこき下ろしていた。
『痴漢だ』と言った女性は被害者ではなく、目撃者の女性だったそうだ。
Dも一部の男性たちも冤罪だというCの味方をして、一緒になって一方的に女性をこき下ろしていた。

なので水を指すように
「自衛が足りなかったんじゃないんですか」
と口を挟んだ。
「自分を守れるのは自分だけなんでしょ?
自衛していたら犯罪には巻き込まれないんでしょ?
Bさんのときにあなたが言った言葉ですよ」

と鬱陶しいほどしつこくネチネチ繰り返し言い続けた。
『痴漢と痴漢冤罪は違う』とか、『状況が違う』とか、『グルだ』『美人局だ』、『痴漢なんてどうせ冤罪だ』、まで色んな反論をされたけど、
私達はCがこれまで言った言葉をオウムのように繰り返し言い続けた。

Dにも話を振り、
「一緒にそう言ってましたよね」
と言うと、Dではなく周りの女性が
「言ってた、犯罪に巻き込まれるのは自衛しない人の自己責任だって」
と同意してDの逃げ道も塞いだ。
他の男性は退散したのに、それでもDはCを庇い続けて、Cと一緒に女子学生と声をあげた女性をこき下ろしていた。

その時期は繁忙期もあって、私は支社にヘルプに行くことが多かったんだけど、
気づけばCは出社してこなくなっていた。
そしてある日突然、Cのデスク周りがきれいに何もなくなり、Cは挨拶も送別会もなく、会社を辞めていた。
みんな口には出さなかったものの、察しはついていた。
痴漢を本当にしたのか冤罪だったのかはわからないけど、潔白を証明できるだけの自衛が足りなかったのだろう。

Cがそんな消え方をしたので、
「Cさんは女に嵌められた」
と最後まで庇ったDも腫れ物に触るような扱いを受けていた。
別にイジメられてるわけではなく、表立っては普通なんだけど、ただ誰からも他人行儀な態度をとられ続けていた。
Cが消えたので社食も一人で食べていたし、ぼっち飯を気に留めて声をかける人も周りにはいなかった。
これまで雑談していたような人も離れ、男性たちは愚痴吐きの飲み会を定期的に行っていたが、Dはそこにも呼ばれなくなった。
多分、口を開けばCの擁護と女性たちへの罵倒が飛び出すからだと思う。

結局Dは半年ほどで人間不信に陥り、会社を休みがちになり、適応障害になったとかで診断書を持って部署内に触れ回った。
私達はD本人から
「気遣いを求める」
と言われたけど、
別にイジメているわけではないので周りの対応は変わらず。
仕事上問題になる行動は誰もとっていないから、会社から注意されることもなく、
Dは結局そのまま休職した。

Cが勘違いでの冤罪だったら同情の余地はあるし、勘違いでもなく狙っての冤罪ならDの言い分も正しいんだろうけど、本音では
(天罰でも食らったんだろう)
と思っている。



言論の自由―考えよう、発言する自由と責任 (調べてみようにんげんの権利)
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