934. 名無しさん 2019年04月10日 04:15 ID:IACiSNuL0
長い割にはたいした話じゃないです。
すみません。

若い頃、オカルトとか民俗学とかごっちゃな感じのサークルに入っていました。
今で言うげんしけんみたいな、テキトーぶっこいた名前が付いていて、ゆるそうな(実際は意外と真面目でした)雰囲気にひかれた感じです。

そこで俺の親の実家について話す機会がありました。
親の実家はド田舎の山ん中で、家も20~30軒くらい?の集落の一つでした。
今は親の実家も空き家で、近所も人が住んでる家は4~5軒だと思います。
その家屋の裏庭には、30cmくらいの伏せた皿みたいな岩が露出してました。
土の中にどのくらい大きな岩が埋まってるのかは分かりません。
言い伝えでは大の大人二人でも持ち上がらなかったそうです。
その岩は『◯◯(うちの屋号)の氏神様』と呼ばれていました。
「岩の下には家の守り神様が埋まってるから、触れてはいけない」
ってことでした。
実際周りには木の棒と紐と紙飾り?で結界みたいなものが張られてました。
「もうそこには誰も住んでなくて、親も亡くなったため、放置されてる」
と。

935. 名無しさん 2019年04月10日 04:16 ID:IACiSNuL0
そんな話をしたところ、
「面白い!行ってみよう!」
と言うバカが出てきました。
バカはチャラ男です。

チャラ男はバカでチャラいですが、顔は俺より数倍良くて、よく女を引っ掛けては食ってました。
高校時代からの付き合いだった彼女も、チャラ男の正体を知らぬ頃に連れてきたら食われました。
食ったらポイ捨てです。
まあ所詮俺より数倍程度の顔だしバカなので、ファッションや話題性でごまかせても、ひっかかる女は知れてます。
とは言えそんな程度の彼女でも俺にとっては好きな子でしたが。




このサークルは割と女子率高くて、チャラ男もそれを狙って入ってきてたんでしょう。
しかしサークルが意外と真面目なだけでなく、かなりきちんとした先輩が居て、チャラ男の思惑通りにはいきませんでした。

そんなチャラ男の考えた、『ぷち旅行で親睦()を深めよう作戦』でした。
俺は最初
(何いってんだコイツ)
って思いましたが、そのうち
(チャラ男の思惑に乗っかろう)
って思い直しました。

あまり話すことじゃないと思って言いませんでしたが、
氏神様は「実は祟り神」と聞いていました。
チャラ男の脳には「押すなよ」を「早く押せ」と変換するIMEがインストールされてます。
「触るな、踏むな」と言えば、触るし踏むでしょう。
そこで祟りの話をして脅して、あとは適当にいじってみよう、と。

旅行計画はトントン拍子に決まりました。
まあ、メインは別の観光地で、何もないド田舎のうちはオマケみたいなもんです。

936. 名無しさん 2019年04月10日 04:17 ID:IACiSNuL0
実際、チャラ男はやらかしてくれました。
触って、踏んで、ポーズを取って写メを要求する等々(ガラケー時代でした)。
そのあとで祟りの話をしても、逆に面白がるだけでした。
ただ、チャラ男の行為は当たり前ですが逆効果で、みんなドン引きでした。

その後、旅行を終えて、
チャラ男はサークルに出てこなくなりました。
何かツイてないことが起きたらいじってやるつもりだったのが、拍子抜けです。
まあいなくてもむしろ全然良いので、そのまま忘れかけた頃、チャラ男と親しかったサークルのメンバーの一人にチャラ男の親から連絡が来ました。
「(チャラ男)がちょっとおかしくなって、入院してしまった」
と。

その時のことはよく覚えています。
サークルに顔出したら、みんな一斉に
グリン
と顔をこっちに向けてきたんですから。
なにやらただならぬ雰囲気にギョッとしました。

チャラ男はその後、一度も見かけることもなく。
その件で俺も顔を出しづらくなって足が遠のき、サークルとは縁が切れました。

何年かあとで、外国に行った叔父に氏神様のことを詳しく聞きました。
氏神様の正体は殺された旅の青年僧だそうです。
逗留先であるご先祖の娘さんと駆け落ちしたところ追手をかけられ、追いつかれて殺されたと。
その後不幸が立て続けに起こって、「青年僧の祟りだ」と思ったご先祖が放置されてた骨を拾って裏庭に埋め、石を置いて祀ったとか。
ツイてない事が起きたら祟りだなんだと言うあたりは俺とおんなじですね…。

937. 名無しさん 2019年04月10日 04:18 ID:IACiSNuL0
青年僧が恨んでるのはうちの家系だし、触れてはいけないのもうちの家系の者のみでしたので、祟りがあったとしてもチャラ男は偶然だと思います。
件の青年僧が純愛だったのかコマシだったのか不明ですが、まさか女をコロコロ引っ掛けるチャラ男にムカついて祟ったとも思えませんしw
まあでも軽い復讐をしようと思ったのは事実で、なんとなくモヤモヤはしました。

サークルでは俺が顔を出さなくなった後、
「(俺)による壮大な呪詛計画だった」
と噂が立ったそうでw
それをどっかから聞いた彼女がよりを戻そうと連絡してきましたが、さすがにそんな気にはなれず、改めて感謝の気持ちと別れを告げました。

その子が俺史上唯一の彼女だったのは、氏神様の祟りと言うか件の僧の呪いなのかもしれませんw



GRIN / 2018 REMASTER
GRIN