12: 名無しさん@おーぷん 2019/01/27(日)07:54:11 ID:a4Z
発端は中学二年の頃の柔道の授業だった。
他人を傷つけるのを極端に嫌がる俺の性格がその授業でバレて、いじめの標的になった。
いじめてくる相手は武道の地方大会進出常連のやつと、その腰巾着が数名。
中高一貫校だったことが災いして、そのいじめは高校まで続いた。

書いてもない入部届で無理矢理入部させられた部活ではサンドバッグ。
昼飯の弁当は奪われてあいつらの早弁になった。
財布の中身は小遣いもらってすぐに空。
何度も教師に相談したがろくに注意もされないどころかあいつらにつつぬけで、そのうちクラスで俺の渾名は『チクリ魔』になった。




あの日俺がやったことはこうだ。
俺はトイレに連れ込まれて、男三人がかりで下半身の着衣をハサミで切られた。
その姿をポラロイドカメラで撮られてた最中に、俺の中で何かが弾けた。
気づいたら主犯Aの頬に俺の愛用のボールペンがつきささっていて、鼻が潰れてうめいていた。
「ヴォバベ」
みたいな怒り声ともうめき声ともつかない声がしていたので、革靴で思い切りその金玉のあたりを蹴り潰してやった。
一発目で必死に両手でおさえたから、指がバキポキと折れる音がトイレに響いていた。

その時、俺ははっきりと自覚した。
他人をこうして力で屈服させて潰すのはなんて快感なんだろうと。
「ありがとう」
と何度もお礼を言いながら、丁寧に使い物にならなくする意図で下半身を執拗に蹴り続けた。

結論からいうとおとがめはなかった。
普段からイジメを見逃していた教師の何人かと腰巾着に、
「嘘を言えば次はお前らの誰かがあれ以上にひどい目に合う」
と、何年かぶりに浮かべた我ながら晴れ晴れとした気持ちで浮かべた笑顔で忠告しておいたからかもしれない。
教師と腰巾着が学校の調査に何もかもゲロった。
最初は暴行事件の被害者ヅラをしようとしていた主犯とその親、教室内でアイツラの味方についていたクラスメイトと親達も、何も言わなくなった。
俺のクラスは定員に対してその半分もいないところまで次々に転校していった。
残りは他のクラスに別れたが、チクリ魔呼ばわりしたことの詫びがなかったやつは卒業まで俺が徹底的にイジメ抜いておいた。

意外だったのは主犯Aだけが真剣に謝りにきたことだった。
武道家として再起不能だったらしいので、てっきり報復でもあるかと思ってこっちも凶器を忍ばせて会ったんだが。
恨み言はそれなりに口にされたが、
「ここまで人を壊すようなつもりは本当になかったんだ」
と泣いて詫びられた。
その気持をもっとはやくもってくれていたら、人の顔が苦痛に歪んで助けを請う様をみて興奮するような人間に、俺はならずに済んだのにな。



Pressure