3: 名無しさん@おーぷん 2018/11/17(土)17:05:38 ID:qN9
大昔の話です。
同性愛のお話なので苦手な方はスルーをば。


サークルの新歓にて、酔った勢いとノリでホモセクシャルであることをカムアウトしたら、翌日には大学中に広まってました。
まあ小中高のガキとは違い、虐められるとかはなかったですが、とある教授がホモフォビアで希望のゼミには入れませんでしたね。
同期の連中には散々に弄られましたが、悪意は感じませんでしたので恨みは抱いていません。

許し難いのはスピーカーとして吹聴してくれやがったA氏です。
しかし彼への怒りは思わぬ出会いをもたらしてくれました。
A氏の弟君(以下B)です。
めっちゃ好みだったんですね。
なにか復讐しようとAを尾行し、つきとめた実家前で張ってたらB君に巡り合ったのです。

全身を雷で打たれたかのような衝撃。
寝ても覚めてもBのことを考える日々、彼を押し倒して教え導く褥の未来を想って激しくいきり立つマイサン。
もうAのことなど頭から吹っ飛んでしまいました。

4: 名無しさん@おーぷん 2018/11/17(土)17:21:37 ID:qN9
続き。

すぐさまBをストークし、その日のうちにアルバイト先のコンビニを特定し、数日勤務相方の青年にバックレるよう脅し、店長さんと思しき熟年が勤務に入ったのを確認後アルバイトを申し出ました。

Bを口説くのには苦労しました。
お客さんとは楽しそうにお喋りするのに、私とは業務に関する最低限のことしか話さず、不機嫌顔でレジと向き合うだけなのです。
私は元相方青年を呼びつけ、Bが関心を持つ話題を聞き出そうとしましたが、特に収穫はありませんでした。
途方に暮れていました。




が、しかし3ヶ月ほどした頃に転機が。
突如Bから
「プライベートでも親しくしてたバイト仲間が何も告げることなく姿を消した。
自分になにか問題があったのだろうか」

と相談を持ちかけてきたのです。
『君に接近するために私が脅しつけたのだ』
などと答えられようはずもなく、「彼には彼の事情があるのだ」と当たり障りのないことを言って親身に接したところ、Bの態度は徐々にほぐれていきました。
そこからはトントン拍子に親しくなり、青年に代わって私がBとプライベートでも付き合う友達になれたのです。

最初の頃の苦労はなんだったのか。
Bの同級生たちとの卒業旅行に車を出してやり無料ドライバーとして奉仕し、最終日からは2人でオマケの1泊温泉旅行に出かけ、そこで私は長年の想いを遂げることができたのです!

5: 名無しさん@おーぷん 2018/11/17(土)17:31:35 ID:qN9
終わり。

そこで本題に。
もうどーでもよく、存在を忘れてすらいたのですが、マジメなBは
「(私)との関係を家族に話すべき」
と訴え、私はAのことを思い出したのです。
大学では早々に話のネタとしても飽きられ、それでもAは根気よく声高に喧伝していました。
Bによると、BほどではないもののAもそこそこ中性的な優男でソッチの被害にさらされた過去があるらしく、生理的にダメなのだとか。

家族会談には当初Aは参加しておらず、若い頃は私の好みドストライクだったろうなと思わせるお義父さんと、女なので微塵も興味なかったですが幼く見える可愛い系お義母さんとで始まりました。
険悪なムードなど皆無で、お義父さんには開口一番
「お願いします」
と頭を下げて言われ(息子さんを?)、お義母さんにはどんな出会いでどのように関係を育んだのかを根掘り葉掘り聞かれました。
で、
「これからは家族同然の付き合いを、そちらのご両親にもお会いしたい」
と、和気藹々に
「寿司でも注文しようか」
と話してた所にA帰宅。

Aは
「ふざけるな! このクソホモヤローが! ぶち殺されたくなかったら今すぐ失せろ!!!」
と発狂絶叫。
「(発端こそアレですが)真面目なお付き合いです」
と言い募るも、
「くぁwせdrftgyふじこlp;!!」
と話にならなかったのですが、お義父さんが
「はいはい、お前は黙ってような」
と、とAの襟首もって猫のように片手で吊るして強制退席(ほっそい腕のどこにそんな力が…)。
その後もなにかと突っかかってきましたが、お義父さんに教えられたとおり
「お義母さんに折檻されるぞ」
と告げると黙ります。

あれから20年経った今も、Aとは犬猿の仲な不倶戴天の敵対関係ですが、私はBと山も谷もあれど基本的にはキャッキャウフフな日々を送っております。
おっさんになっても弟離れができないどうしようもないAに、ようやく彼女ができたので記念書き込み。

6: 名無しさん@おーぷん 2018/11/17(土)17:33:15 ID:qN9
幸せになるのが最高の復讐ですね。
それが対象の不幸と隣り合わせであればなお至高。



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