710: 名無しさん@おーぷん 2017/12/15(金)14:20:14 ID:???
個人的にスカッとした話なんだけど、世間的には胸糞不良債権が増えただけなのでチラ裏拝借。


俺が通ってた大学は2年からゼミがはじまるんだけど、そこに宗教狂いのAって男がいた。
Aは宗教に人生のすべてをかけていて、宗教のためならどこぞの出家女優みたいに他人の迷惑を顧みない。
グループ研究を
「来月の15日まで修行に行ってるから」
と、(教授には『法要』だとウソをつき)途中から音信不通。
その間に自分の役割をこなすでもない、中間報告も来るでもない、完全に寄生虫状態だった。

10日に発表があるから
(どうすんのかな)
と思っていたら
「(宗教の)先生が
『お前は偉大な人になるから学業もしっかりこなしなさい。迷惑をかけてはいけない。』
と言って一日だけ下山を許してくれた」
とひょっこり現れて、いかにも『自分も研究に携わっていましたよ』って顔をしてのうのうと参加しやがった。
教授は頭の硬い人で、
「研究は協力が大切で、全員で協力できるようにするのも勉強だ」
とかなんとかそんなご高説を話してて、要するに『Aに配慮してやれ』って態度だった。
でも多分宗教のことで面倒なことになりたくなかっただけだと思う。

3年になってAが成人すると、宗教の中でAの立場が上がった。
Aは人に教えを説くことができるようになり、
「より多くの人を救いに導く(=宗教に陥れる)ことで徳が積める」
ようになったそうで、酷い勧誘が始まった。
俺達のゼミは他のゼミ生と協力して研究をすすめることがあるが、Aのお陰でクレームがつき、共同研究してくれるゼミがなくなって研究に行き詰まる程だった。
学内で恥をかかされた教授もこのときは流石に怒り心頭だったが、自分が正義と信じるAには通じなかった。
俺も何度こいつを海に沈めてやろうと思ったことか。




その後4年になり、就活が始まった。
Aは宗教活動が続けられる地域に内定が決まった。
が、そこはいざ就職すると入社してすぐは数年地方に飛ばされて、そこで経験を積んでからこちらに戻ってこられるって会社らしかった。
Aは
「そんなの耐えられない!」
と内定を蹴ろうとしたが、そこにB子が口を開いた。
「大丈夫、神様はAくんの日頃の信心深~い行いを見てるもの、遠くに行ってもすぐ帰ってこられるわ!
神様がAくんを手放すわけないもの!
呼び戻すに決まってるじゃない!」


B子は表立っては静かな人だったが、内実アンチ宗教色が誰より色濃くて過激な一面ももつ人だった。
だからAの宗教を認めて応援する素振りには周り皆が驚いていた。
しかしAはB子の熱い説得に心打たれたらしく、神を信じてその企業に就職した。
その年が2011年で平成の氷河期と言われていたこともあったと思う。

それからAは本当に一年もせず戻ってきた。
心を病んで。

就職して初めての年、ちょっとした祝い事があり、ゼミOBの同窓会が開かれた。
そこにはガリガリになったAと、銀行に就職して雰囲気の変わったB子もいた。
B子はAに
「ほらすぐ戻ってこられたでしょ」
と言っていたが、Aは病んでる人にしかできない死んだ目をしていた。
B子は構わず
「神様が与えてくれた試練よ!
せっかく神様が近くに戻してくれたんだから、それに応えなくちゃ!」

ととても華やかな笑顔でAの背中を押していた。
反面Aは、B子に生気を吸い取られているかのようだった。

AはB子に当てられたのか体調不良ですぐに帰ってしまったので、その後はB子が色々聞かれていた。
過去のことなのでほとんどの会話は忘れてしまったが、一番記憶に残っているやり取りがコレ。
「なんでAがすぐもどってくるって思ってたの?」
「2ちゃんねるってところで会社の内部の愚痴とか吐いてる人いるって聞いて、Aの会社検索したらHITしちゃって。
Aが行くところに新人ブレイカーがいるって書いてあったから」

まさかのソースは2ちゃんねる。
でもその情報の通り、Aは壊れて帰ってきた。

Aは今、引きこもりニートしてる。
そうAの母親から連絡が来た。
学生のときの連絡網から『お友達』と思われる人に連絡をとってるらしい。
「社会復帰のお手伝いして」
と言われたけど、
「宗教のお友達がたくさんいるだろうからお断りします」
と連絡拒否した。
他の人も同じように断ったそうだ。

たとえ友達はいなくとも神様が一生ついててくれるからAは幸せだろう。

多分。



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