814: 名無しさん@おーぷん 2017/12/11(月)07:51:03 ID:MpN
私の実家は今で言うところの汚家で、家に友達なんて呼べないレベルで汚かった。
足の踏み場も無いほど物が溢れ返っている状態がデフォ。
母は専業主婦だったけれど、子供が4人もいれば手の回らない部分が出てくるのは理解できる。
父は激務で頼れないし、当てにするのは酷というもの。

だから、物心がついた頃から私が合間合間に掃除をするようになった。
積みっぱなしの洗濯物を畳むことから始めて、古新聞をまとめたりリビングに散らかったオモチャを片したりと、自分にできることを少しずつ増やしていった。

中学に上がる頃には物が多すぎる所為で部屋が片付かないと分かってきたので、
「床に落ちている物は捨てる」
と宣言してガンガン片付けた。
それでも家が小汚くなるので月1くらいのペースで大掃除をしていた。
洗面所→和室→台所→リビングの順で分別・ゴミ捨て・掃除機。
当時の私にはそこそこ重労働だったけれど、
(綺麗な家の方が良いに決まっているし家族も喜ぶ)
そう思えば頑張れた。




そう考えていたのが自分だけだったと分かったのが高校生になった時。
いつものようにリビングを掃除していた私は、ローテーブルの上に勉強道具が山になっているのを見て妹に片付けるよう促した。
すると妹はこう言った。
「どうせまた使う」
「お姉ちゃんに掃除してって頼んだ覚えはない」
「お姉ちゃんは自己満足の為に掃除しているだけ」

居合わせた下の兄弟達も概ね同じことを言った。
父もそう。
散らかっているように見えてもみんなはどこに何があるのか把握していて、
「(私)が片付けることでそれが崩れるのがとても不快だった」
そうだ。
片付けても片付けてもどこからともなく物が溢れてくるのはそういう理由だった。

一番ショックだったのは、私が掃除すると手を打って喜んでくれていた母まで妹に同調したこと。
母曰く、
「綺麗になるのは良いがやはりどこに何があるのか分からなくなるのが困る。」
あと、母は綺麗にしているつもりなのに掃除されると
「当て付けがましくて嫌だった」
んだそう。

私は家族に喜んで欲しくて頑張っていたのに、当の家族は本音では迷惑がっていたということに失望した。
「今まですみませんでした、どうぞ好きなように過ごして下さい」
とだけ返して、それ以来私は実家の掃除を一切行わなくなった。

2~3日もすれば和室が洗濯物で溢れて、父が物言いたげに見てきたがスルー。
さらに数日が過ぎると下の弟達が「課題のプリントが見つからない」と騒ぎ出したがスルー続行。
1ヵ月も経たない内に家は元の汚家に戻り、本来の姿を取り戻した。
調理器具が床を埋め尽くして足元がおぼつかない中、わたわたと料理をする母が滑稽に見えてしょうがなかった。
ちなみに妹は衣服や雑誌類の山の中でそれなりに快適そうに過ごしていた。
妹だけはブレなかった。

1年過ぎた頃、母が謝罪してきたけれど
「受験があるから」
と言って固辞した。
県外の大学に進学すると同時に家を出た私は、物が散らからない自分だけの部屋を手に入れた。
「掃除した端から散らかされるということが、思った以上にストレスだったんだ」
と気づいたのがこの時。
最近、実家に様子を見に立ち寄ったら家の中が相変わらず汚くて笑った。
下の兄弟達も今は就職や進学で家を出ている筈なんだけど。

以上、私が家族にしたささやかな仕返しでした。



片付けない技術