109: 名無しさん@おーぷん 2017/02/06(月)12:36:32 ID:g0w
ある日、少し膝を痛めたので何日か杖を突いて通勤することになった。
駅の階段を上がっていたら、
中学生くらいの女の子が金属バットを持ってニヤニヤしていたと思うと、
俺に向かって走ってきて、そのまま転んで階段を転げ落ちていった。

関係はないし手を貸せる容体でもなかったので、駅員さんが来たのを見届けてそのまま通勤した。
それから何日かして足の調子がよくなり、杖から解放された。

今朝ほど同じ駅で、右手と顔に包帯を巻いて左手でバットを持った女の子が、例の階段の手前で俺を含む歩行者をじろじろ眺めていた。
駅員さんに聞いたが、やはりあのとき転げ落ちた女の子だった。
「あのバットは杖の代わり、ただ電車を待っているだけだから気にしないでほしい」
とのこと。
落ちた件に関しては
「ただ落ちただけだ」
と本人は主張したそうだが、バットを握っていなければ右手はもう少しマシな容体だったらしい。

何をしたいのかは想像もつくが、肝心の俺の顔忘れてどうするんだろう。



私の敵