615: 名無しさん@おーぷん 2016/12/13(火)08:57:23 ID:6HJ
小学生の頃、クラスに乱暴な男の子がいた。
怒鳴る。
殴る。
蹴る。
髪の毛を引っ張る。
ボールをぶつける。
首を絞める。
私物を壊す。
彫刻刀を振り回す。
全て日常茶飯事。
猫が爪を研いだり犬が吠えたりするみたいに、その子だけ別の動物で、暴力が遺伝子にインプットされてるのかと思うぐらいだった。




なぜか標的は女の子だけ。
私は前髪を切られた。
アザができるぐらい強く殴られたり、歯を折られた子もいた。

その子は落ち着きがなくて、授業中も後ろを歩き回ってた。
今なら多動性障害?とか診断されるだろうね。
当然ながらみんなその子を避けていた。

だけど先生が
「いじめだ」
とか言い出した。
「みんな仲良くしろ。そんなんじゃいつまでも子供のままだぞ。」
だってさ。
その子の暴力は見て見ぬふりしてたのに。
変な話だよね。
別にこっちからは物を隠したり悪口言ったりみたいな明確な危害は加えてなかったのに。
単に嫌いな人や合わない人と距離を置いてただけであって。
『苦手な人と距離を置いて共存する』って、双方が傷付かない良い方法だと思うんだけど。

仕方ないから、みんなでその子のお母さんのことを延々と尋ねることにした。
小学生でも高学年にもなれば水商売がどういうものなのかわかる。
その子のお母さんは水商売の女の人だった。
差別だとは思うけど、それが社会的に恥ずかしい仕事として認識されてることも知っていた。
その子がお母さんとあまり良い関係を築けてないことも知っていた。
だからお母さんのことをひたすら尋ね続けた。
殴られそうになったら男子が庇ってくれた。
みんなで協力して、みんなでひたすら尋ね続けた。

その子は学校に来なくなった。

当時の私たちにはこれしか方法がなかった。



日常茶番事 (Canvas special)