250: 名無しさん@おーぷん 2016/05/20(金)19:42:09 ID:bUn
弟の車をクレクレ、弟がそいつで遊んで撃退した。


弟が我が家に遊びに来るのはいいけど、大きなスポーツカーに乗ってるせいか目立つ。
なのでご近所さんに
「弟さん来てるの?仲良いですね」
と覚えられる。

そんなある日、ご近所の若奥さんが弟夫婦が来てる日にウチを訪問。
弟の車のことで話があるらしく、私は
(ありゃ、あいつの車うるさいから怒られたかぁ)
と思いながら家に上げて弟の所へ。
弟も
「うるさかったかな?住宅街だから大人しく走ってたけど」
と言って若奥さんと対面。

しかし、若奥さんは素っ頓狂な話をし始めた。
「若旦那と旅行に行く」「レンタカーは高い」「ありきたりな車は嫌」「なので『(弟)のスポーツカー』を貸してくれ」
とわけわかめ。
これが世に聞くクレクレか。




まぁ車好きの弟が他人に車を貸すわけがないし、
(貸したとして、事故起こしたら責任取れるのか?)
なんて思い弟の反応を見たら、
弟「えっとぉ、『俺のスポーツカー』を貸して欲しいんですよね?」
若奥「そう!『弟さんのスポーツカー』!」
弟「いいっすよ!」
私・旦那・弟嫁( Д ) ゜ ゜ポンッ
弟「じゃあ日にち教えてくれますか?……じゃその日の朝、ここで待ってますよ」
と言って若奥るんるん気分で御帰宅。

私( ゚д゚)ポカーン、 アタフタする弟嫁・旦那。
旦那「弟君、え?本気?」
弟嫁「本当に貸す気!?」
弟「んなわけないじゃん」
3人「え?」
弟「義兄さん、嫁も姉貴も聞いてなかった?あの人、『俺のスポーツカー』しか言ってないじゃん。『あの』とは言ってないよ?」
私「それはそうだけど、変わりはどうするんだ?絶対ゴネるよ?」
弟「平気平気。ちゃんと『俺のスポーツカー』持ってくるから」(・∀・)ニヤニヤ
弟嫁「Σ( ゚∀゚)あ!あぁそういうことか」
と弟嫁は理解したのか、私たち夫婦は事情が飲み込めないまま
「大丈夫だから心配しなくていい」
とのこと。
「万が一に備えてその日、(ウチ)の車は隠しといた方がいい」
と言って帰ってた。

251: 名無しさん@おーぷん 2016/05/20(金)19:42:19 ID:bUn
で、その約束の日の朝、既に準備万端の若夫婦。
若旦那「本当に貸してくれるの?」
若奥「ちゃんと約束したもん!大丈夫!」
と、なんか若干空気の違う夫婦。
すると爆音が近づいてきて、ウチの駐車場に停まった。
全員( ゚д゚)ポカーン
だって目の前の車、スポーツカーだけど、可愛い女の子がデーン!と描かれた痛車。

すると中から弟夫婦が降りてきて
「はい!お待たせしました!『俺のスポーツカー』です!どうぞお使いください!」
そう、弟は車好きである前にオタク、弟嫁もオタク。
大学時代に自動車サークルで痛車乗ってサーキット走ってたのは知ってたけど、あの大っきいのに乗ってるから廃車にしたのかと思ってた。
唖然とする若夫婦。

さらに
弟「えっとこの車、最低限の公道走行機能以外は付いてません。
初夏の陽射しで暑いですが、エアコンなんてないです!パワーウィンドウもないです!
音楽も聞けません!いいムードの車内などありえません!
会話を楽しもうにもエンジン音と排気音で耳がイカれます!
クラッチは慣れてないと重いです!渋滞は地獄です!下手に繋ぐとすっ飛びます!
じゃ良い旅を!」

と言って若夫婦を見送ろうとしたが、まぁ若奥はキレるキレる
「話が違う!」
と。
弟「え?これだってれっきとした『俺のスポーツカー』ですよ?あなた、『あの』って指定してなかったじゃないですかww」
キーキー喚く若奥。
若旦那はため息ついて無言で若奥置いて帰った。
若奥はそれに気がついて追いかけていった。
挨拶程度の付き合いだし、その後は知らない。

「なんで、こんなことしたの?」
って聞いたら弟曰く、
「馬鹿は口で言っても理解しないし弄んだ方が楽しそうだった。
人の車借りる奴がガチガチの改造車でさらに痛車なんて見た瞬間諦めるだろ。
一般人からすりゃ走る見世物小屋だ。車好きの親父ですら嫌がったんだし。
マジで貸してもらえると思ってたのかよww」

と笑い転げ回ってたよ。
3歳の娘がいるから、特に何もなく対処できて良かった。



いたいのいたいの、とんでゆけ<いたいのいたいの、とんでゆけ> (メディアワークス文庫)