378: 名無しさん@おーぷん 2015/08/28(金)11:44:03 ID:L7m
友人は十代の頃、不幸な生い立ちに憧れていたらしい。
まあ厨二だったんだろう。

ゲーセンで知り合った友達が自分(友人)の家庭環境を知らないのをいいことに、
「オレは母子家庭で苦労してきた」
「貧乏で、明日をも知れぬ底辺生活の苦渋をなめてきた」
「オレを貧乏と見下したやつらをいつか見返してやる」
と母子家庭設定で熱く語っていたそうだ。
ゲーセン友達も母子家庭だったとかで、父親のいない苦労を打ち明けあったりしていた。
友人のは打ち明け話もなにも嘘だが。




ある日ゲーセン友達が
「母が再婚するかも」
と言った。
ゲーセン友達は複雑な心境らしく
「結婚してほしくない」
と言い、友人は
「何言ってんだ、オレがおまえの立場の時は、かーちゃん幸せになってくれ、って賛成したぞ!
おまえよりもっとガキの頃だったが、母の幸福が一番だからな!」

と熱く説教した。
(このくだりを聞いた時、『設定変わってね?』と思ったが突っ込まずにおいた。)
ゲーセン友達は泣いてしまい、それから友人とゲーセン友達は疎遠になった。


そんなこともすっかり忘れて十数年。
友人が妻子を連れてショッピングモールにいると、同じく妻連れのゲーセン友達にばったり再会した。

ゲーセン友達に
「お互い母子家庭で、悩みを話し合ってた」
だの
「明日をも知れぬ底辺生活だったんだよな?」
と妻子の前でニヤニヤ言われたそうだ。
ニヤニヤってことは、ゲーセン友達は嘘だってわかってたんだろう。

友人は妻に呆れられ、娘に
「昔から説教好きだったんだね」
と笑われ、
「妻子の前で恥をかかされた!」
と激怒して愚痴ってきた。

嘘ついてまで説教したかったのかよ、とこっちも呆れた。
黒歴史を暴露されたのは気の毒だが、内容が内容だけに同情できん。



父―その死