(※編注:コトメ…小姑。配偶者の姉妹。 トメ…姑。配偶者の母親。 ウト…舅。配偶者の父親。)

71: 名無しさん@おーぷん 2015/01/18(日)10:00:24 ID:V9V
コトメと一緒に嫁いびりしてくるトメ。
でもコトメが嫁ぎ、トメも大病患ったりして弱り、いびられることも少なくなった。
とは言え、焼かれた昔のアルバムや盗まれて他人にあげられた祖母や母の形見など、取り戻せないものが返ってくるわけでもない。
そしてウトが逝き、消沈したトメは床に伏せるようになり、痴呆の症状も出てきた。
旦那は単身赴任の上忙しく、コトメは隣県で自然と介護は私がやることに。

伏せてから一年程でトメは亡くなった。
通夜でコトメは泣きながら私を責めた。
「こんなに早く死ぬなんておかしい、お前が毒でも盛ったんだろう!」
とか。
旦那や親族の一人が、
「(私)は仕事も休職してちゃんと介護していた、自分は何の手伝いもしなかったのにそれはないだろう」
とたしなめた。
そもそも最期は病院で迎えたから、不審死というわけでもない。
他の親族は、
「コトメちゃんもお母さん亡くして気が立ってるのよ」
とかばっていたが、私は泣き崩れ、一生懸命に介護したこと、頑張って長生きして欲しかったことを訴えた。
嫁いびりをしていたコトメや、それを知っていた旦那以外は、私に同情し、中にはコトメに、
「実の母親なんだからアンタもちゃんと看てあげるべきだった」
と厳しく言う人もいた。
居づらくなったのかコトメはコトメ旦那を置いて出て行った。




実際、トメがたった1年で死ぬなんて思ってもみなかった。
おかげで言いたいことも全部は言えず、やりたいことも半分くらいしか出来なかった。
それでもトメがコトメに遺しておこうとした着物や宝石(高かったらしいが古臭いもの)はほとんど始末出来た。
子供時代のコトメを写した写真もトメの目の前で燃やした。
トメが、
「コトメちゃんに会いたい」
と言えば、呼んだフリして、
「来ませんねえ、もうお義母さまのことはどうでもいいのかしらねえ」
と語りかけた。
「ごめんなさい」
と謝られれば、
「じゃあ母の形見返してください、返してくれたら許してあげますよ」
と言った。
食事はちゃんと栄養第一で作ったが、味は泥水の方がマシじゃないかってくらいまで不味くするのに苦労した。
毎日こんな風にするだけで人は衰弱して死ぬんだね。脆い。

毒、か。
言葉も毒と言えるなら、コトメのセリフも間違ってはいない。

72: 名無しさん@おーぷん 2015/01/18(日)10:20:45 ID:V9V
週一で家に戻る旦那は、私からトメの状況を聞くばかりで自身は会おうともしなかった。
コトメに至っては、毎月の小遣いの振込が途絶えなければほとんど連絡してきやしない。
トメの携帯に追加の小遣いの無心があったが、私が出て
「伝えておきます」
と言って振込しとけばそれで終わり。
こいつら、一年以上自分の母親と話してないことにも気づいてやしない。
コトメなんか、入院して意識も無い状態で初めて見舞いに来やがった。
それで二人共、親孝行してると思っているのが笑わせる。

介護用のベッドやバリアフリー化でトメのお金は使いきったから、旦那もコトメもほとんど受け取るものは無い。
回復しないまま死んだから、バリアフリーに意味なんて無かったけど。
始末した着物や宝石もきちんと帳簿につけてたから、全部トメのため(か、コトメの小遣い)に使われてる。
調べられてもお金の動きに後ろ暗いことなんてない。
目論見が外れたコトメは、旦那に
「家を売って財産を分けろ」
と言ってるが、家はウトが死んだ時に旦那のものになっている。
コトメはその時は現金を受け取っていたはずだ。
だがトメに甘やかされて金銭感覚のおかしいコトメは、あっという間に使い果たして今や多額の借金持ち。
トメは死ぬまでそれを心配していた。
旦那もそれは知っていて、家を処分しようかどうか迷ってるようだ。たいした金にもならないのに。
私の方をチラリチラリと見ているのが笑える。

どっちに転んでも構わない。
旦那が家を売れば、私は実家に帰ればいい。
どうせコトメの大借金には焼け石に水だ。
旦那は私についてくるつもりだろうが、私はもう一緒に暮らすのはお断り。
引っ越す前に離婚を申し出るつもり。
ちょっと計画より早いが、新しい人生に早く踏み出すのもいい。

旦那がコトメを見捨てれば、この家でもう少し暮らしてやってもいい。
介護しながら運用していた株の取引を続けてお金を貯めつつ、再就職と離婚の準備をしながらコトメの凋落を眺めるだけだ。

実際のところコトメについてはトメほど恨んでるわけじゃない。
旦那に至ってはむしろどうでもいいくらいだが、
トメがさっさと死んでしまった以上、お釣りは受け取ってもらうつもりだ。
トメが死ぬ前に、
「死んだらコトメや旦那に責任とってもらうよ」
くらいは言っておけばよかったかもしれない。



死んだらおしまい、ではなかった 2000人を葬送したお坊さんの不思議でためになる話